脊柱管狭窄症と診断された膝の痛み・しびれ|熊谷市の接骨院が伝えたいこと
2026年06月15日
「病院で脊柱管狭窄症と言われたけれど、膝の痛みやしびれの説明としてはどこかしっくりこない」——熊谷市にある熊谷たいよう接骨院には、そんなお話をされる方が時々いらっしゃいます。今回は、脊柱管狭窄症と膝の痛み・しびれの関係、そして「原因を見極める」ことの大切さについて、実際にあったケースを交えてお伝えします。
田島 陽平(たじま ようへい)/柔道整復師歴20年以上 / カイロプラクティック・オステオパシー/株式会社キュアクオリティ代表|深谷・熊谷 たいよう接骨院
脊柱管狭窄症と膝の痛み・しびれ、どんな関係があるのか
脊柱管狭窄症とは、背骨の中を通る神経の通り道である「脊柱管」が、年齢的な変化などによって狭くなった状態のことです。狭くなった部分で神経が圧迫されると、太ももから膝、足先にかけての痛みやしびれ、また「しばらく歩くと足が重だるくなり、少し休むとまた歩けるようになる」といった症状(間欠性跛行)につながることがあると言われています。
「膝が痛い」「太ももがしびれる」という症状で病院を受診し、MRIなどの画像検査で脊柱管が狭くなっている所見が見つかると、「脊柱管狭窄症」という診断名がつくことがあります。
ただ、ここで知っておいていただきたいのは、画像で脊柱管が狭くなっていることと、実際に出ている膝の痛みやしびれの原因が、必ずしもぴったり一致するとは限らない、という点です。膝や太もものしびれには、神経の圧迫だけでなく、股関節まわりの筋肉(腸腰筋など)の緊張や、骨盤・腰椎・胸椎といった身体全体のバランスが関係していることもある、というのが当院での見方です。
膝裏やおしりの痛みも、同じ流れで考えられます
脊柱管狭窄症に伴う症状は、膝の前側だけでなく、膝裏の突っ張るような痛みや、おしりから太ももの裏にかけての痛み・しびれとして感じられることもあるとされています。腰から出た神経は、おしり・太もも・膝裏・ふくらはぎへとつながっているため、神経のどの通り道に負担がかかっているかによって、症状を感じる場所が変わってくると考えられています。
一方で、膝裏の痛みには膝関節そのものや筋肉の問題が、おしりの痛みには梨状筋などおしりの筋肉の問題が関わっている場合もあります。「どこからきている症状なのか」を検査で切り分けることが、遠回りに見えて一番の近道です。片側だけに症状が出ている場合は、その出方も見極めの大切な手がかりになります。ご自身の状態を知る一つの参考として、特徴を以下にまとめました。
| タイプ | 症状の出やすい場所 | 特徴的なサイン |
|---|---|---|
| 脊柱管狭窄症が関わる場合 | おしり〜太もも・膝・膝裏・ふくらはぎ | 歩くと強まり、前かがみで休むと楽になる(間欠性跛行) |
| 膝関節そのものの問題(変形性膝関節症など) | 膝の内側・お皿まわり | 立ち上がり・階段など膝を使う動作で痛む |
| おしりの筋肉の問題(梨状筋など) | おしりの奥〜太ももの裏 | 長く座ると強まりやすい・押すと響く |
上記はあくまで一般的な傾向であり、実際には複数の要因が重なっていることも少なくありません。この後ご紹介するケースも、まさに「診断名と症状の出どころを切り分けて確認していった」一例です。
実際にあったケース「脊柱管狭窄症」と言われた膝の痛み・しびれ
熊谷たいよう接骨院には、整形外科で「坐骨神経痛」「椎間板の狭窄」と診断され、痛み止めの薬と牽引による治療を受けていたものの、症状が改善しなかったという60代男性の方がいらっしゃいました。
精米店で働かれているこの方は、左膝の痛みと左太ももの内側のしびれを抱えていて、立っていても、歩いていても、寝ていても常に痛みがあるという、かなりつらい状態が続いていました。仕事や家事も思うようにできず、楽しみにしていた3月のご旅行に行けるかどうかも不安だとお話しされていました。
MRIでは腰椎(L4-5・L5-S1)の椎間板の狭窄が確認されており、これが診断名につながっていたようです。
当院で検査を行ったところ、坐骨神経そのものを強く圧迫しているサインは見られませんでした。一方で、股関節を曲げる動作に関わる「腸腰筋」の検査では、ご本人の症状とぴったり一致する反応が見られました。痛みやしびれの出ている範囲も、坐骨神経というよりは、太ももの前面から内側にかけて伸びる「大腿神経」の領域と重なっていました。さらに、膝を動かしたときの痛みと、実際に出ている症状の動きが連動していなかったことから、膝関節そのものの問題というよりも、神経の働きに関係する痛みではないかと判断しました。
「これが原因」と決めつけずに、全体を見ていくということ
この方には、骨盤・腰椎・胸椎・頸椎にかけての身体全体のバランスを整えるアプローチを行いました。アクティベーターという、音の出ない・優しい力で行う矯正方法を使い、関節の動きや神経の伝わり方を整えていくことを目指しました。
施術を重ねていく中で、少しずつ変化を感じられるようになり、現在は仕事に復帰され、2週間に1回のメンテナンスを継続しながら、ご家族との旅行を楽しみにされているとのことです。
このケースからお伝えしたいのは、「脊柱管狭窄症」という診断名がついたとしても、膝の痛みやしびれの背景には、神経の圧迫だけでなく、筋肉の緊張や姿勢、身体全体のバランスなど、複数の要因が関係していることがある、ということです。「これが原因です」とひとつに決めつけるのではなく、いろいろな角度から検査を行い、今出ている症状とどこが一致しているのかを丁寧に確認していくことを、当院では大切にしています。
もちろん、脊柱管狭窄症そのものが関係している場合もあります。痛みやしびれが強い、急に悪化した、足に力が入りにくいといった場合は、まず医療機関で検査を受けていただくことをおすすめします。そのうえで、「検査では異常がはっきりしない」「治療を受けても膝の痛みやしびれが変わらない」と感じている方は、神経だけでなく身体全体のバランスという視点から見直してみる価値があるかもしれません。
「足に力が入らない」「尿や便が出づらい」ときは早めに医療機関へ
脊柱管狭窄症のなかでも、両足に力が入りにくい、おしりや内もも・足の裏の感覚が鈍い、尿や便のコントロールがしづらい、といった症状が出てきた場合は、神経の束(馬尾)が強く圧迫されているサインの可能性があります。こうした状態は、接骨院での施術やセルフケアで様子を見る段階ではなく、整形外科や脳神経外科で早急に相談すべきものとされています。
当院では、このようなサインが見られる方には無理に施術を続けず、医療機関の受診をおすすめしています。「良くなるまで通ってください」ではなく「今は病院での検査が先です」と正直にお伝えすることも、私たちの役割だと考えています。膝の痛みやしびれの背景に脊柱管狭窄症が関わっている場合こそ、どこまでが施術で向き合える範囲で、どこからが医療機関の領域なのか、その線引きを誠実にお伝えすることを大切にしています。
ご自宅でできるセルフケア
最後に、膝の痛みや太もものしびれが気になる方に向けて、ご自宅でできるセルフケアを3つご紹介します。痛みが強いときに無理に行う必要はありません。
1つ目は、股関節の前側を伸ばすストレッチです。椅子に浅く座り、片足を後ろに引いて床につけます。腰を反らしすぎないように注意しながら、お尻から太ももの前側が軽く伸びる位置で20秒ほどキープしてください。腸腰筋の緊張がやわらぐと感じる方が多いです。
2つ目は、仰向けで膝を抱える動きです。仰向けに寝て、片膝を両手でゆっくり胸に近づけます。腰回りが心地よく伸びる範囲で、呼吸を止めずに10秒ほど保ちます。反対側も同様に行ってください。
3つ目は、歩くときの姿勢の工夫です。脊柱管狭窄症の症状がある方は、軽く前かがみになると楽になることがあります。長い距離を歩く際は、無理をせず、こまめに休憩を挟みながら進めることをおすすめします。買い物ではカートを押しながら歩くと前かがみの姿勢を保ちやすく、症状が出にくいと感じる方もいらっしゃいます。
また、寝るときの姿勢も症状の感じ方に影響することがあります。仰向けで腰が反って症状が強まる場合は、膝の下にクッションを入れて軽く膝を曲げると楽に感じられることがあります。横向きの場合は、両膝の間にクッションを挟むと骨盤が安定しやすくなります。
何科に行けばいい?医療機関と当院の使い分け
脊柱管狭窄症が疑われる症状で医療機関を受診する場合は、整形外科が窓口になります。MRIなどの画像検査で神経の通り道の状態を確認できるのは医療機関だけですので、まだ検査を受けていない方は、まず整形外科での確認をおすすめします。
特に、足に力が入りにくい、症状が急に強くなった、排尿や排便に違和感があるといった場合は、様子を見ずに早めに医療機関を受診してください。これらは神経への負担が強まっているサインの可能性があるとされています。
一方、当院の役割は、検査によって「今の膝の痛みやしびれがどこからきているのか」を切り分け、関節の動きや身体全体のバランスという機能面からアプローチすることです。医療機関での診断や投薬と、当院での施術を並行されている方も多くいらっしゃいますので、通院の組み合わせ方も含めてご相談ください。医師から処方されている薬を自己判断で中止する必要はなく、施術は薬と並行して受けていただくことができます。「どちらに相談すべきか分からない」という段階でも、状態を確認した上で率直にお伝えしますので、まずはお気軽にお声がけください。
よくある質問
Q1. 脊柱管狭窄症と診断されています。施術を受けても大丈夫ですか?
A1. はい、大丈夫です。当院では検査を行ったうえで、関節の動きや身体全体のバランスを確認しながら、その方に合ったアプローチをご提案しています。気になる症状や診断内容があれば、施術前にぜひお聞かせください。
Q2. 膝の痛みなのに、なぜ腰や骨盤も検査するのですか?
A2. 膝の痛みやしびれは、膝そのものではなく、股関節まわりの筋肉や骨盤・腰椎・胸椎といった身体全体のバランスが関係していることがあるためです。痛みの出ている場所だけでなく、身体全体の動きを確認することで、原因に近づきやすくなると考えています。
Q3. どれくらいの期間で変化を感じられますか?
A3. 症状の程度や経過年数によって個人差があります。施術を重ねながら、ご自身の身体の変化を一緒に確認していきます。
Q4. 手術を勧められています。施術で手術を避けられますか?
A4. 手術が必要かどうかの判断は医療機関にお任せしています。当院では検査で状態を確認した上で、機能面からできることと、できないことを正直にお伝えします。手術を検討中の方が、その前にご自身の身体の状態を整理する場としてもご利用いただけます。
Q5. 歩くとすぐ足がしびれてしまいます。歩かない方がいいのでしょうか?
A5. 症状が出るたびに無理に歩き続けることはおすすめしませんが、全く歩かないと筋力や体力の低下につながる可能性もあります。前かがみで休憩を挟みながら、ご自身の症状が出にくい距離とペースを見つけていくことが大切です。当院でも歩き方や休み方の工夫を一緒に確認しています。
Q6. 高齢の家族も一緒に相談できますか?
A6. はい、ご相談いただけます。杖や歩行器を使っている方、ご家族の送迎で来院される方にも、状態と生活環境に合わせて無理のない範囲でご案内しています。駐車場もございます。
Q7. どんな症状が出たら、すぐ病院に行くべきですか?
A7. 両足に力が入らない、おしり・内もも・足の裏の感覚が鈍い、尿や便のコントロールがしづらい、といった症状が出てきたときは、早めに整形外科や脳神経外科に相談してください。これらは神経が強く圧迫されているサインの可能性があり、様子を見るより検査を優先したほうがよいとされています。
脊柱管狭窄症という診断名は、それだけを聞くと「もう年齢的に仕方がないのか」と重く受け止めてしまいがちです。しかし、ここまでお伝えしてきた通り、実際に出ている膝の痛みやしびれの背景には、神経の圧迫以外の要因が関わっていることもあります。診断名と症状を切り分けて、一つずつ確認していくことで、いま取り組めることが見えてくる場合があります。
「脊柱管狭窄症と言われたけれど、膝の痛みやしびれが続いている」「病院での治療を受けても変化を感じない」という方は、一人で抱え込まずにご相談ください。LINE公式アカウントでは、セルフケアの情報や院からのお知らせを配信しています。よろしければ、下記よりご登録ください。
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田島 陽平(たじま ようへい)/治療家・株式会社キュアクオリティ代表。柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ。整形外科・接骨院勤務を経て独立し、埼玉県深谷市・熊谷市で2院を経営。カイロプラクティック歴15年以上・オステオパシーを組み合わせた独自の施術スタイルで、坐骨神経痛・腰痛・肩こりなど慢性症状でお悩みの方のサポートを行っている。
参考文献
・腰部脊柱管狭窄症の管理に関する総説/保存療法が治療の選択肢として位置づけられていることが報告されています
腰部脊柱管狭窄症の総説(PubMed Central)を読む
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断を行うものではありません。
症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関へのご相談をお勧めします。
