なぜ整体で骨盤・背骨の矯正を行うのか?その仕組みと理由を解説|熊谷市 熊谷たいよう接骨院
2025年02月6日
田島 陽平(たじま ようへい)/柔道整復師歴20年以上 / カイロプラクティック・オステオパシー/株式会社キュアクオリティ代表|深谷・熊谷 たいよう接骨院
「なぜ腰が痛いのに、背骨全体を矯正するの?」
熊谷院に来てくださった患者さんから、このような質問をよくいただく。
痛い場所だけをほぐせばいいのでは、と思うのは自然なことだ。でも、実際に施術をしていると「痛い場所が問題の根っこではない」ケースが非常に多い。ここでは、なぜ骨盤・背骨の矯正を行うのかを正直にお伝えする。
骨盤・背骨の矯正とは、体を支える土台の関節に働きかけて、神経や筋肉、血流がうまく働ける状態に戻していくためのアプローチだ。当院がこの方法を選んでいる理由は一つで、痛みの出ている場所と、その痛みを生んでいる場所が別のことが多いからだ。
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なぜ腰が痛いのに、背骨全体を矯正するの?
痛みの出ている場所と、動きが落ちて負担を生んでいる場所が、別々のことが多いからだ。
当院では、痛い場所を「結果が出ている場所」、動きが落ちている場所を「負担が集まっている場所」と分けて考えている。腰が痛い方の腰だけをゆるめても数日で戻るとき、負担を生んでいる場所が腰以外に残っていることがよくある。
だから当院は、最初に痛い場所ではなく、背骨と骨盤全体の動きを一通り確認する。そこで動きが落ちている場所が見つかれば、痛い場所から離れていてもそこを整える。逆に、動きが保たれている場所には手を出さない。
体の痛みと「関節の機能障害」の関係
関節が本来の動きを失うと、その周りの神経の働きに影響が出ることがある。
背骨・骨盤の関節は、体を支えながら動かすという大きな役割を担っている。
同時に、これらの関節の近くには神経が集まっている。脳からの信号を全身に届け、全身からの信号を脳に返す——体の情報網の幹線部分と言っていい。
この関節が何らかの理由で正常な動きを失った状態(機能障害)になると、周囲の神経に干渉が生じる。神経の働きが鈍ることで、筋肉の緊張・血流の低下・内臓の機能低下が連鎖的に起きる場合がある。
痛みやしびれは、こうした連鎖の結果として体の表面に出てきているサインだ。
ただし当院は、この説明を「すべての不調が背骨で決まる」という意味では使っていない。関節の動きは体に起きていることの一つの側面であり、生活の負担や睡眠、これまでのケガの影響も重なる。当院が矯正で受け持てるのは、そのうち「関節の動き」という一つの入り口だけだ。
「痛い場所」が問題の場所とは限らない
痛みが出ている場所と、動きを失っている場所が一致しないことは珍しくない。
たとえば、腰が痛い人の多くは、腰そのものだけでなく、骨盤の傾き・胸椎の動きの低下・股関節の柔軟性不足が複合的に絡み合っていることが多い。
「腰だけ揉んでもすぐ戻る」という経験がある方は、このパターンに当てはまっている可能性がある。
当院では初診時に、痛みのある部位だけでなく、全身の関節の動きと神経の反応を確認してから施術の計画を立てる。どこに機能障害があるかを特定して、そこにアプローチするのが基本の考え方だ。
実際に当院で長く拝見している50代の方は、最初は足首の痛みで来られた。他で足首そのものへの施術を受けても変わらず、当院で全身の動きを確認すると、腰の骨のすべりをかばうために片側へ負担をかけ続けた結果、足首の関節が緩んだ状態になっていた。
緩んでいる場所をさらにゆるめると不安定さが増して痛みが出るため、当院では足首ではなく、背骨と骨盤、そして足の関節の並びの側から整える判断をした。
「痛い場所を触ってもらえない」と感じる方もいらっしゃるが、当院が別の場所に手をかけているのは、そこが痛みを生んでいると検査で判断したからだ。当院では、この判断の理由をその場で必ずお伝えしている。
| 痛みが出ている場所 | 当院が一緒に確認している場所 | そこを確認する理由 |
|---|---|---|
| 腰 | 骨盤の傾き・胸椎(背中の上のほう)の動き・股関節 | 腰だけをゆるめてもすぐ戻る方は、この3つのどこかで動きが落ちていることが多いため |
| お尻・太もも裏 | 腰の関節と骨盤の関節(仙腸関節) | この範囲は痛みの出方が重なりやすく、場所だけでは元をたどりにくいため |
| 首・肩 | 背中の上のほう(胸椎)の動き | 首の付け根が痛む方で、実は胸椎の動きが落ちていることがよくあるため |
| 足首・膝 | 腰と骨盤、体重のかかり方 | 腰をかばう使い方が続くと、足元に負担が集まっていることがあるため |
なお、腰の関節から起きる痛みは離れた場所にも広がり、どの高さの関節から来ているかを痛みの場所だけで見分けるのは難しく、範囲の重なりが大きいことが報告されている(記事末尾の参考文献)。当院が「痛い場所=原因の場所」と決めつけず、動きの検査で場所を絞っているのは、この重なりがあるからだ。
矯正で何が起きるか
動きを失っていた関節が動きを取り戻し、体が自分で回復しやすい状態に近づく。
矯正を行うことで、機能障害を持っていた関節が本来の動きを取り戻す。すると——
- 関節周辺の神経への干渉が軽減される
- 筋肉への信号が正常に届くようになり、緊張がほぐれてくる
- 血流が回復し、組織の自己修復が働きやすくなる
つまり矯正は「体を外から直す」のではなく、「体が自分で回復しやすい状態をつくるサポート」という位置づけだ。
当院で施術のあとに確認しているのは、痛みが消えたかどうかだけではない。前に曲げる・後ろに反らす動きがどこまで出るようになったか、動かしたときの左右差が減ったかを、施術の前後で比べる。動きが変わっていなければ、同じことを繰り返さずに見立てを組み直す。
なぜ全身をまとめて矯正しないの?
動きが保たれている関節にまで矯正を入れると、かえって体が不安定になることがあるからだ。
当院が矯正で大事にしているのは「どこを動かすか」と同じくらい「どこを触らないか」だ。先ほどの足首の方のように、すでに緩んでいる関節をさらにゆるめると、支えが減って痛みが出ることがある。関節が全体的に柔らかい方も同じで、当院ではそういう方には矯正を控えめにし、支える筋肉を戻すほうを優先する。
「たくさん矯正したほうがよく効く」という考え方を、当院は取っていない。検査で反応が出た場所だけを、その日に整える。これが当院の基本だ。当院の検査で実際に何を見ているかは背骨矯正・骨盤矯正って何をするの?(熊谷たいよう接骨院)にまとめている。
ここまで読んで「自分のことかもしれない」と思った方へ。まず検査で、どこに負担が集まっているかを確かめます。空き状況はネット予約でその場で確認できます。
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矯正を受けないほうがいい場合はある?
ある。原因のはっきりしない強い痛みや、急に力が入らないといったサインがある場合は、矯正より先に医療機関だ。
当院が矯正より先に医療機関をご案内するのは、次のような場合だ。転んだ・ぶつけたあとの強い痛み、じっとしていても引かない痛み、発熱を伴う痛み、足に力が入らない、排尿のトラブルが出ている、しびれの範囲が日ごとに広がっている——こうしたサインがあるときは、当院の検査では分からない可能性が残る。
また、当院の検査で動きの落ちた関節が見つからないこともある。その場合は矯正をせず、筋肉の使い方や生活動作の見直しに切り替える。しびれが続いている方の施術については熊谷市の坐骨神経痛・しびれの施術ページにまとめているので、あわせてご覧いただきたい。
当院の施術スタイルについて
音や強い力を使わない、器具を用いたソフトな矯正が中心だ。
使用しているのはアクティベーターという専用の器具を使ったカイロプラクティックの技術がメインだ。
強い力や音を使わないソフトな施術で、必要な部位にピンポイントでアプローチする。検査で機能障害を特定したうえで矯正を行うため、「とりあえず全身を強く鳴らす」という施術とは全く異なる。
まとめ
矯正を行う理由は、見た目を整えるためではなく、体が自分で回復しやすい状態に戻すためだ。
骨盤・背骨の矯正を行う理由は、「見た目を整える」ためではなく、関節の動きの制限をやわらげ、神経が働きやすい状態を目指すことで、体本来の回復する力が発揮されやすい状態をつくるためだ。
痛みやしびれの根本に何があるのかを確認したい方は、まずご相談いただきたい。
よくある質問
「なぜそこを矯正するのか」について、当院が実際に聞かれることを院の言葉で答える。
Q. なぜ痛くない場所まで矯正するのですか?
痛みが出ている場所と、動きが落ちている場所が別のことが多いからだ。当院では背骨と骨盤の動きを一通り確認し、動きが落ちている場所が見つかればそこを整える。痛くない場所を念のため触っているのではなく、検査で反応が出た場所だけを選んでいる。
Q. 骨盤の歪みは矯正で元に戻るのですか?
当院は「左右差をゼロにする」ことを目的にしていない。見た目の歪みそのものより、動きが出ていない関節があるかどうかを見ている。歪みが気になる方には、まず何がどう動いていないのかを説明したうえで、生活の中でその負担がどこから来ているかを一緒に確認する。
Q. 痛い場所を触ってもらえないと不安です。触らないのですか?
触らない日もある。痛い場所がすでに緩んでいたり、炎症が強かったりする場合、そこに手を加えるとかえってつらくなることがあるためだ。当院ではその理由を必ずその場でお伝えするので、納得できないときは遠慮なくお尋ねください。
Q. 矯正で神経の働きが変わると、内臓の調子まで良くなるのですか?
そこは正直に線を引く。当院が確認できるのは関節の動きと、それに伴う体の反応までだ。内臓の病気を見つけたり治したりすることは当院にはできないので、胃腸や胸の症状が続く場合は医療機関での検査を先にお勧めしている。
Q. 背骨の矯正で、しびれも変わりますか?
変わる方もいれば、変わらない方もいらっしゃる。しびれは腰や首の関節の負担だけでなく、神経そのものや血流、内科的な理由でも起こるためだ。当院ではしびれの出方と広がり方を確認し、当院で扱う範囲を超えていると判断した場合は、その場で医療機関をお勧めする。
Q. 他の整体で強く矯正されて怖い思いをしました。同じですか?
当院では音を立てて関節を鳴らす矯正は行っていない。器具を使い、必要な場所にだけ短時間の刺激を加える方法が中心だ。過去に怖い思いをされた方は、その体験を先に教えてください。刺激の強さを下げる、その日は矯正をせず動きの確認だけにする、といった進め方もできる。
▼この症状の専門ページ:骨盤矯正について詳しくはこちら|熊谷たいよう接骨院
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田島 陽平(たじま ようへい)
田島 陽平(たじま ようへい)/治療家・株式会社キュアクオリティ代表。柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ。整形外科・接骨院勤務を経て独立し、埼玉県深谷市・熊谷市で2院を経営。カイロプラクティック歴15年以上・オステオパシーを組み合わせた独自の施術スタイルで、坐骨神経痛・腰痛・肩こりなど慢性症状でお悩みの方のサポートを行っている。現在は国際基準のフランス式オステオパシーを学んでいる。
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参考文献
・腰の関節(椎間関節)とその神経を刺激すると、患者さんがふだん感じている痛みが再現され、その広がり方はどの高さの関節でも似ていて重なりが大きかった、という報告がある。痛みの場所だけで原因の場所を決めつけない、という当院の考え方と重なる部分だ。
Fukui S ほか「Distribution of referred pain from the lumbar zygapophyseal joints and dorsal rami」Clin J Pain 1997(PubMed)を読む
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断を行うものではありません。
症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関へのご相談をお勧めします。
