部活の子の腰が痛い、休ませるべき?|答えを先に言います、休ませるべきです|熊谷市の接骨院が解説
2026年07月31日
中学生・高校生のお子さんが、腰が痛いと言っている。でも本人は部活を続けたいと言う。
休ませたほうがいいのか、続けさせていいのか。判断がつかないまま日が過ぎている。
そんなご相談を、保護者の方からいただくことがあります。
この記事では、熊谷市で20年以上お体を診てきた立場から、まず結論をお伝えします。そのうえで、それでも続けたいという場合にどうするかをお話しします。
■ 先に答えを言います——休ませるべきです
ご質問に正面からお答えするなら、休ませるべきです。
休ませれば症状は楽になります。これは間違いありません。
こういうご相談をいただいたとき、「休ませることだけが答えではありません」という言い方をすることもできます。ただ、それは答えになっていないと当院は考えています。
セルフケアはあくまでケアであって、休息の代わりにはなりません。本質的に休ませるということをしない限り、体は休まらないためです。
ここは、はっきりお伝えしておきます。
そのうえで、この情報だけでは詳しい状態は分かりません。どこがどう痛いのか、いつからなのか、どんな動きで痛むのか。それによって話が変わります。
ですのでまず、医療機関で状態を確かめていただくことをおすすめします。
■ そのうえで「それでも続けたい」と言われたときに
現実には、休ませられない場面があります。
最後の大会が近い。レギュラー争いの真っ最中。本人がどうしてもやりたいと言う。
そういうとき、当院がお伝えしているのは2つだけです。
ひとつは、ストレッチを徹底すること。場所は太ももの裏と、アキレス腱です。当たり前のことしか言えませんが、セルフケアとしては正直、そのくらいしかできません。
もうひとつは、セルフケアと休息を必ずセットにすることです。適度な休みは、間違いなく必要です。
ストレッチをしているから休まなくていい、ということにはなりません。ここを取り違えると、かえって長引きます。
■ 中学生・高校生の腰痛は、ぶつけた怪我ではなく積み重ねで起きています
大人の腰痛は「重い物を持った瞬間に」というように、きっかけがはっきりしていることがよくあります。
10代の腰痛は、少し形が違います。
高校の男子バレーボール選手95名を1年間追いかけた調査では、腰の障害は発生した部位として2番目に多く、その大半が急にぶつけて痛めたものではなく、繰り返しの負荷でゆっくり出てきたものだったと報告されています。
つまり、痛いと言い出した時点では、すでにかなり積み上がっているということです。
「昨日から痛いと言い出した」場合でも、昨日始まったわけではありません。ここが、休ませる判断を先送りしないほうがよい理由です。
■ 「運動していないのに腰が痛い」と言う場合
部活をしていないお子さんが腰の痛みを訴えることもあります。
この場合も、考え方は同じです。何もしていないのに痛くなったのではなく、日常の中で負担が積み重なっていることが多いためです。
長時間の座り姿勢、重い通学カバン、スマートフォンを見る姿勢。こうしたものが関係していることがあります。
ただし、運動をしていないお子さんの腰の痛みは、体の使いすぎ以外の要因を考える必要も出てきます。この場合はとくに、先に医療機関で確認していただくことをおすすめします。
■ 腰が痛いのに、太もも裏が張っている——この組み合わせが多い理由
当院にいらっしゃる10代の方で、腰の痛みと一緒に「太ももの裏が張る」「ふくらはぎが張る」とおっしゃる方が少なくありません。
これには理由があると考えられています。
サッカー・バスケットボールの選手を対象にした調査では、男子選手において、太もも裏の柔軟性が低いことと繰り返す腰痛との間に強い関連が報告されています。この調査では、繰り返す腰痛があった男子選手は全員、太もも裏の柔軟性が低い側に該当していました。
太もも裏が硬いと骨盤の動きが制限され、その分を腰が余計に動いて補うことになります。その結果、腰まわりへの負担が増えるという流れです。
当院が「ストレッチをするなら太もも裏とアキレス腱」とお伝えしているのは、この関係があるためです。腰が痛いから腰を伸ばす、という話ではありません。
なお、腰と太もも裏とふくらはぎが一本の線でつながっている、という説明を見かけることがありますが、これは理論として語られているもので、直接証明されたものではありません。当院では、姿勢と動作のつながりによって影響し合っている、という一側面として捉えています。
■ 実例:最後の大会まで3か月だった高校生の経過
実際にあったお話です。
強豪校のバレーボール部に所属する18歳の男子の方でした。休みが少なく、痛みがある中でも練習を続けなければならない状況です。
高校最後の大会が控えていて、「そこまでに体を整えたい」というお気持ちで来院されました。
症状は、腰の痛みと、両方の太もも裏の張り、両方のふくらはぎの張りです。
この方で印象に残っているのは、症状が軽くなっていった順番でした。
| 順番 | 症状の変化 |
| はじめの状態 | 腰の痛み・両太もも裏の張り・両ふくらはぎの張りが同時にある |
| 最初に動いたところ | 腰の痛みと太ももの張りが落ち着いてくる |
| 次に動いたところ | 腰の痛みが気にならなくなる |
| 最後に残ったところ | 太もも裏とふくらはぎの張り |
腰から始まって、体の後ろ側を下へ下へと順番に変わっていきました。この方は、無事に3年生最後の大会に出場されています。
ここで正直にお伝えしておきたいことがあります。この方は「続けながら整えた」形ですが、それができたのは、大会までの期間があり、練習量を調整できる余地があったからです。
痛みが強い時期に、量をまったく落とさないまま続けるという選択は、当院ではおすすめしていません。
■ 痛む場所が増えていくとき
もうひとつ、別のお話をご紹介します。
野球の強豪クラブチームに所属していた10代の男子の方です。膝にオスグッドという既往があり、そのうえで右の肘の痛みと、右手のしびれを訴えて来院されました。
痛みはかなり強く、「今後も野球を続けられるのか」という強い不安をお持ちでした。
当院で検査したところ、手のしびれは肘そのものではなく、首から肩にかけての通り道が関係していると考えられました。そちらへ対応を切り替えたことで、しびれは気にならないところまで落ち着いています。
この方で見ていただきたいのは、痛む場所が膝から肘へ、そして手のしびれへと増えていった点です。
場所はバラバラですが、背景にあるものは共通していました。競技に必要な姿勢が定着していたこと、練習量に対して体が追いついていなかったことです。
痛む場所が増えていくときは、それぞれを別々の問題として片付けないほうがよいと当院は考えています。
■ 「痛みが引いた」が「治った」とは限りません
当院の記録を年代で横に並べると、10代の方は最も少ない層のひとつです。
ただ、その少ない10代の記録は、全員が同じ形をしていました。同じ場所を繰り返すか、痛む場所が増えていくか、そのどちらかです。
足首の捻挫を繰り返して靭帯が緩み、立っているだけで不安定になってしまった方もいらっしゃいました。この方の場合、一回ごとの捻挫は治っています。それでも、繰り返した結果として不安定さが残りました。
痛みが引いた時点は、体が元に戻った時点とは限りません。
10代は回復が早い分、痛みが早く消えます。それが「もう大丈夫」という判断につながりやすいところが、この年代の難しさだと感じています。
■ 先に医療機関で確かめてほしいサイン
次のような場合は、施術より先に医療機関で調べていただくことをおすすめしています。
・特定の一点を指させるほど、痛む場所がはっきりしている
・体を反らせたときに強く痛む
・安静にしていても痛む、夜も痛む
・足にしびれや力の入りにくさがある
・日にちが過ぎても、痛みの出方がまったく同じまま
・転倒や衝突など、はっきりしたきっかけがある
成長期のお子さんの腰痛では、レントゲンだけでは分からず、別の検査で初めて分かるものもあります。
「様子を見ましょう」と言われた後も変化がない場合は、そのことをあらためてお伝えください。
■ 家でできることは多くありません
正直にお伝えします。ご家庭でできることは、それほど多くありません。
・太もも裏のストレッチ(反動をつけず、痛みの手前まで)
・アキレス腱まわりのストレッチ
・練習後に、張っているところを冷やす
・睡眠時間を確保する
・完全に休む日をつくる
強く揉むことは、時期によってはおすすめしていません。痛みが出ている最中に強い刺激を加えると、かえって反応が強く出ることがあります。
そして、いちばん効くのは最後の項目です。休む日をつくることです。
あとは、保護者の方が話を聞いてあげることだと思っています。痛みを言い出せずに続けてしまう子は少なくありません。
熊谷市で腰の痛みにお悩みの方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
熊谷市で腰痛にお悩みの方へ|熊谷たいよう接骨院が伝える「全身から見る」という視点
https://taiyo-kumagaya.com/2026/07/06/lumbago-whole-body-view/
成長期の背骨の状態が気になる方は、こちらでも整理しています。
熊谷市で側弯症にお悩みの方へ|熊谷たいよう接骨院が伝える「地道なアプローチ」という考え方
https://taiyo-kumagaya.com/2026/07/06/scoliosis/
■ よくある質問
Q. 部活を休ませるべきでしょうか。
A. 答えを言うのであれば、休ませるべきです。休めば症状は楽になります。そのうえで、状態によって判断が変わりますので、まず医療機関で確かめていただくことをおすすめします。
Q. どのくらい休ませればよいですか。
A. 状態によって変わるため、一律の日数はお伝えできません。痛みが引いたかどうかだけでなく、動きの制限が残っていないかも見ていただきたいところです。
Q. ストレッチをすれば続けられますか。
A. ストレッチは休息の代わりにはなりません。セルフケアはあくまでケアです。必ず休息とセットにしてください。
Q. 本人がどうしても休みたくないと言っています。
A. その場合は、量を落とすという選択肢があります。完全に休むか続けるかの二択にせず、練習の内容と量を調整できないか、指導者の方とご相談ください。
Q. 痛みが引いたので練習に戻していいですか。
A. 痛みが引くことと、体が元に戻ることは同じではありません。動きの制限が残ったまま戻ると、別の場所に負担が移ることがあります。
Q. 何度も同じところを痛がります。
A. 繰り返している場合、そのたびに治すのではなく、繰り返す背景を確認することをおすすめします。
Q. 中学生でも施術を受けられますか。
A. お受けしています。お子さんの場合は、ご本人が何をどう感じているかを聞く時間を長めにとるようにしています。
■ まとめ:休ませることは、あきらめることではありません
部活のお子さんが腰の痛みを訴えているとき、答えは休ませるべきです。
ただ、休ませることは、あきらめることとは違います。10代の腰の痛みは積み重ねで出てくるものですから、積み重ねを一度リセットする時間が要る、というだけのことです。
そのうえで、どうしても続けたいということであれば、太もも裏とアキレス腱のストレッチを徹底し、必ず休息とセットにしてください。
まずは医療機関で状態を確認していただき、そのうえで気になることがあれば、当院にもお気軽にご相談ください。
▼関連ページ:熊谷市で腰痛にお悩みの方へ・当院の腰痛施術はこちら|熊谷たいよう接骨院
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【著者情報】
田島 陽平(たじま ようへい)/治療家・株式会社キュアクオリティ代表。柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ。整形外科・接骨院勤務を経て独立し、埼玉県深谷市・熊谷市で2院を経営。カイロプラクティック歴15年以上・オステオパシーを組み合わせた独自の施術スタイルで、坐骨神経痛・腰痛・肩こりなど慢性症状でお悩みの方のサポートを行っている。現在は国際基準のフランス式オステオパシーを学んでいる。
【参考文献】
Cejudo A, Centenera-Centenera JM, Santonja-Medina F. The Potential Role of Hamstring Extensibility on Sagittal Pelvic Tilt, Sagittal Spinal Curves and Recurrent Low Back Pain in Team Sports Players: A Gender Perspective Analysis.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8393976/
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断を行うものではありません。症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関へのご相談をお勧めします。
