交通事故のあと、腰が痛い|「いつ・どの動きで痛むか」で見えること|熊谷市の接骨院が解説
2026年07月26日
交通事故のあと、腰が痛い。ただ、ひとことで「腰が痛い」と言っても、痛み方は人によってかなり違います。
朝だけつらい方もいれば、座っているとつらい方もいます。動かしたときだけ痛む方もいます。
この記事では、熊谷市で交通事故のケアを行ってきた立場から、「いつ・どの動きで痛むか」を手がかりにする考え方をお伝えします。
■ 交通事故のあと、腰が痛いとき
事故のあとの腰の痛みは、事故の翌日から出る方もいれば、数日たってから気づく方もいます。
「病院ではレントゲンで骨に異常なしと言われた。でも痛い」というご相談も少なくありません。画像に写るのは主に骨の状態であり、そのほかの部分にかかった負担までは映りにくいとされています。
そして、痛みが出る場面は人によって違います。ここが手がかりになります。
■ 「いつ痛むか」で見えることがある
当院の交通事故の記録をあらためて見直してみました。
交通事故で腰を痛めて来られたのは9件。そのうち、痛むタイミングや動作まで記録が残っていたのは3件でした。そしてその3件は、痛み方の条件がすべて違っていました。
ひとりは、前かがみ・後ろ反り・体をひねる動きで痛む方。
ひとりは、朝に痛みが強く、日中は比較的落ち着く方。
ひとりは、座っている時に特に強く痛む方。
3件という数は統計と呼べる規模ではありません。ただ、少なくとも当院で拝見してきた範囲では、「事故の腰痛」とひとまとめにできるものではありませんでした。
同じ「腰が痛い」でも、条件が違えば確認するところも変わってきます。
■ 動いたときに痛むのか、じっとしていても痛むのか
問診のときに当院がよくおうかがいするのが、この2つです。
動かしたときだけ痛むのであれば、どの方向の動きで出るのかを確認していきます。前に曲げると痛いのか、反らすと痛いのか、ひねると痛いのか。方向によって、負担がかかっている場所の見当が変わってきます。
じっとしていても痛む、あるいは朝がつらいという場合は、また別の見方が必要になります。安静にしていても痛みが出るときは、念のため医療機関で確認していただくことをおすすめしています。
事故のあとの症状全体については、こちらでも整理しています。
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■ 実際にあった例:座り仕事で腰がつらくなった20代の方
信号待ちで完全に停止していたところ、後方から追突される事故に遭われた20代の男性の方です。事務のお仕事をされています。
腰と背中を負傷され、レントゲンでは骨に異常なし、痛み止めのみという診断でした。
この方の痛み方には特徴がありました。座っている時に腰の痛みが特に強く出て、前かがみになったり体をひねったりすると背中も痛む、という状態です。
事務のお仕事は、一日の大半が座位です。つまり、一番痛みが出る姿勢を続けなければならないということになります。ご本人が一番困っておられたのも、まさにそこでした。
整形外科に月2回ほど通いながら、当院では約4ヶ月にわたって施術を続けました。座っている時の負担をどう減らすかという話も、施術と並行して重ねていきました。
■ 実際にあった例:朝だけ腰の痛みが強かった30代の方
助手席に乗っていたところ、相手の車が赤信号を無視して直進してきたことで、側方から追突された30代の女性の方です。
首には違和感から始まって徐々に重だるさが出てきて、目や頭がふらふらする感覚もありました。そして腰は、朝に痛みが強く、日中は比較的落ち着くという出方をしていました。
朝だけ強いという訴えは、日中の様子だけを見ていると見落とされやすい部分です。だからこそ、問診で「どの時間帯がつらいか」をうかがっています。
なお、この方は保険会社からの依頼により、2ヶ月という比較的短い期間で対応することになりました。痛みはもともと強くなく、ほぼ消失した段階で予定どおり2ヶ月で終了しています。
■ 痛み方の条件と、確かめておきたいこと
| 痛み方の条件 | 関係していることがあるもの | 確かめておきたいこと |
| 前かがみ・反り・ひねりで痛む | 動かす方向によって変わる負担 | どの方向で出るかを整理する |
| 朝に強く、日中は落ち着く | 寝ている姿勢や寝具との関係 | 寝る姿勢・起き上がり方も伝える |
| 座っていると強い | 座位で腰にかかる負担 | 座る時間・椅子の高さも見る |
| じっとしていても痛む | 安静時痛は別の確認が必要なことがある | まず医療機関で確認する |
| 脚のしびれ・力の入りにくさを伴う | 神経が関係していることがある | 早めに医療機関へ |
なお、じっとしていても強く痛む場合や、脚にしびれ・力の入りにくさがある場合は、自己判断で様子を見ずに、まず医療機関にご相談ください。
■ 痛む場所が日によって変わる場合
「昨日は腰の右側だったのに、今日は左側が痛い」というご相談をいただくことがあります。
痛む場所が動くと、不安になる方が多いようです。ただ、これ自体は珍しいことではありません。痛みが強い側をかばうと、反対側の負担が増えて、そちらが目立ってくるということが起こり得ます。
大切なのは、その変化を覚えておいて伝えていただくことです。「先週は右だったが、今週は左」という情報は、体の使い方の変化を見るうえで手がかりになります。
一方で、痛む範囲が明らかに広がっていく、あるいは脚の方まで症状が下りてくるという場合は、様子を見ずに医療機関にご相談ください。
首の症状が長引く場合の考え方は、こちらでも整理しています。
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■ 座っている時間が長い方へ
当院の症例を職業で見ると、デスクワークや事務のお仕事の方が上位に入ります。座位の時間が長い方は、事故の前から腰に負担がかかっている状態にあることが少なくありません。
そこに事故の負担が加わると、もともとの負担と事故の影響が重なった状態になります。
だからこそ、事故の前はどうだったかを初診でうかがっています。「事故の前から少し痛かった」という情報は、隠す必要のあるものではありません。むしろ、分けて考えるために必要な情報です。
■ 通院できる期間には区切りがあることも
交通事故の施術では、体の状態だけでなく、保険の手続きが期間に関わることがあります。
前述の30代の方のように、保険会社からの依頼で期間が区切られるケースもあります。この方の場合は痛みがほぼ消失した段階でしたので、予定どおり終了となりました。
ただ、まだつらさが残っている段階で区切りが来そうな場合は、そのことを早めにご相談ください。ご自身の状態を正確に伝えることが大切になります。
■ 当院が事故後の腰の痛みに対して行っていること
当院では、まず「どの動きで、いつ痛むか」を確認するところから始めます。
事故の直後で炎症が強い時期は、刺激を抑えて負担を減らすことを優先します。落ち着いてきてからは、動きの制限が残っている部分に対して手技や矯正を行っていきます。
座位の時間が長い方の場合は、施術だけでなく、日常でどう負担を減らすかも一緒に考えていきます。
■ 自宅で気をつけたいこと
・痛みが強く出る動きは、無理に繰り返さないでください
・座っている時間が長い方は、こまめに立って姿勢を変えてください
・朝がつらい方は、起き上がるときに一度横向きになってから起きてみてください
・痛む場所を強く揉むことは、時期によってはおすすめしません
・お風呂で温めていいかどうかは時期によって変わりますので、初回にご相談ください
■ よくある質問
Q. 朝だけ腰が痛いのですが、事故と関係ありますか。
A. 時間帯によって痛み方が変わることはあります。朝がつらいという情報も、問診では大切な手がかりになりますのでお伝えください。
Q. 座っていると痛いのですが、仕事を休むべきでしょうか。
A. 完全に休めない方が多くいらっしゃいます。座る時間の区切り方など、負担を減らす方法を一緒に考えていきます。
Q. レントゲンで異常なしと言われましたが、痛みが続きます。
A. 画像に映りにくい部分の負担が関係していることがあります。医療機関に相談を続けながら、当院にもご相談ください。
Q. 事故の前から腰が痛かったのですが、伝えたほうがいいですか。
A. お伝えください。もともとの状態と事故による変化を分けて考えるために必要な情報です。
Q. 保険会社から治療の期間について連絡がありました。
A. まだつらさが残っている場合は、早めにご相談ください。ご自身の状態を正確に伝えていただくことが大切です。
Q. 交通事故の施術に費用はかかりますか。
A. 自賠責保険の対象となる場合があります。詳しくは初回にご案内します。
■ まとめ:同じ腰の痛みでも、条件が違えば見るところも変わる
当院で拝見してきた範囲では、事故のあとの腰の痛みは、痛み方の条件が人によってまったく違いました。
「腰が痛い」だけでは、まだ手がかりが足りません。いつ痛むのか、どの動きで痛むのか。そこまで分かると、確認する場所も、日常で気をつけることも変わってきます。
まずは医療機関で状態を確認していただき、そのうえで気になることがあれば、当院にもお気軽にご相談ください。
熊谷市で交通事故後の腰の痛みにお悩みの方は、熊谷たいよう接骨院のLINEからお気軽にご相談ください。
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【著者情報】
田島 陽平(たじま ようへい)/治療家・株式会社キュアクオリティ代表。柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ。整形外科・接骨院勤務を経て独立し、埼玉県深谷市・熊谷市で2院を経営。カイロプラクティック歴15年以上・オステオパシーを組み合わせた独自の施術スタイルで、坐骨神経痛・腰痛・肩こりなど慢性症状でお悩みの方のサポートを行っている。現在は国際基準のフランス式オステオパシーを学んでいる。
参考文献(PubMedで実在と内容を確認しています)
・Subgrouping Patients With Low Back Pain: A Treatment-Based Approach to Classification(腰痛の分類についての論文。腰痛をひとつの均質なものとして扱うのではなく、症状の出方ごとに分けて考える必要性が述べられています)
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3445227/
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断を行うものではありません。症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関へのご相談をお勧めします。
