交通事故のあと、背中や肩がつらい|どの場面でつらくなるかを持って来てください|熊谷市の接骨院が解説
2026年07月26日
交通事故のあと、背中や肩がつらい。ただ、一日中ずっと同じ強さで痛むという方は、あまりいらっしゃいません。
パソコンに向かっているとき。車を運転しているとき。朝、起きたばかりのとき。つらくなる場面には、その方なりの傾向があります。
この記事では、熊谷市で交通事故のケアを行ってきた立場から、「どの場面でつらくなるか」を手がかりにする考え方をお伝えします。
■ 事故のあと、背中や肩がつらいとき
事故の直後は首の痛みが目立ち、背中や肩は後から気づかれることがあります。
「病院ではレントゲンで骨に異常なしと言われた。でも背中が重い」というご相談も少なくありません。画像に写るのは主に骨の状態であり、そのほかの部分にかかった負担までは映りにくいとされています。
そして、つらくなる場面は人によって違います。ここが手がかりになります。
■ 痛みが強くなる場面には共通点がある
当院の交通事故の記録をあらためて見直してみました。
交通事故で背中や肩の症状があったのは9件。そのうち、仕事や運転など特定の場面で症状が強くなるという記録が残っているのは3件でした。
パソコン作業の座り姿勢で強くなる方。長時間立っていると強くなる方。30分ほど運転すると首から肩に出てくる方。
3件という数は統計と呼べる規模ではありません。ただ、少なくとも当院で拝見してきた範囲では、痛みは「一日中同じ」ではなく、特定の場面に結びついていました。
だからこそ問診では、どの場面でつらいのかを詳しくおうかがいしています。
■ デスクワークで重くなる背中
当院の症例を職業で見ると、デスクワークや事務のお仕事の方が上位に入ります。
座って画面に向かう姿勢は、頭が前に出やすく、その重さを背中側で支え続けることになります。事故の前からこの負担がかかっている方に、事故の負担が重なるという形です。
「事故の前から肩は凝っていた」という方は少なくありません。これは隠す必要のある情報ではなく、むしろ事故による変化を分けて考えるために必要な情報です。
■ 運転で戻ってくる痛み
運転は、同じ姿勢で腕を前に出し続ける動作です。しかも事故に遭われた方にとっては、運転そのものに緊張が伴うこともあります。
「乗ってすぐは平気なのに、30分くらいすると肩まで痛くなる」という訴えは、その方の耐えられる時間の目安を教えてくれます。
この目安が分かると、長距離の運転を分割する、こまめに休憩を入れるといった対処が具体的に決められます。
事故のあとに症状が長引く場合の考え方は、こちらでも整理しています。
事故の直後は平気だったのに、数ヶ月後から症状が出てきた方へ|熊谷市の接骨院が伝える「時間差」のむち打ちという視点
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■ 実際にあった例:パソコン作業で背中がつらくなった30代の方
信号が赤になり停車しようと徐行していたところ、後方から追突される事故に遭われた30代の女性の方です。
首と背中の2か所を負傷され、レントゲンでは骨に異常なし、湿布と痛み止めという診断でした。
この方の症状には、はっきりした傾向がありました。朝の寝起きから背中と首に痛みがあり、パソコン作業の座り姿勢や、長時間立っている場面で強くなるという出方です。
さらに、事故後のストレスから不眠も併発しておられました。眠りが浅いと、体を休める時間そのものが短くなります。痛みと眠りは、切り離せないことがあります。
月に1回の病院受診と並行して、当院で施術を続けていきました。
■ 実際にあった例:30分の運転で肩まで痛んだ30代の方
信号待ちで完全に停止していたところ、後方から追突された30代の女性の方です。首と腰を負傷されました。
レントゲンでは骨に異常なし、痛み止めのみという診断でした。
この方の場合、動いている時と動いた後に痛みと張り感が出て、首が回しづらい状態でした。そして30分ほど運転すると、首から肩にかけて痛みが出て仕事に支障が出るという訴えがありました。
当院では手技による施術と電気治療、そして矯正を組み合わせ、5ヶ月にわたって経過を追っていきました。
「30分」という具体的な目安があったことで、日常でどこまで無理をしないかの線引きがしやすくなりました。
■ 痛みが出る場面と、確かめておきたいこと
| つらくなる場面 | 関係していることがあるもの | 確かめておきたいこと |
| パソコン作業中 | 座位で頭を支え続ける負担 | 連続で何分もつか |
| 運転中・運転後 | 同じ姿勢と腕を前に出す動作 | 何分くらいで出てくるか |
| 朝の起きがけ | 寝ている姿勢や寝具との関係 | 寝る向き・枕の高さ |
| 長時間立っているとき | 立位を支える背中側の負担 | どのくらい立つとつらいか |
| じっとしていても痛む | 安静時痛は別の確認が必要なことがある | まず医療機関で確認する |
なお、じっとしていても強く痛む場合や、息が吸いにくい感覚がある場合は、自己判断で様子を見ずに、まず医療機関にご相談ください。
■ 眠れないことが痛みに関わることもある
前述の30代の方のように、事故のあとに眠りが浅くなる方がいらっしゃいます。
事故そのものの緊張や、痛みで寝返りが打ちにくいこと、これからのことへの不安など、理由はひとつではありません。
眠れないことで体を回復させる時間が減り、そのぶん痛みが気になり、また眠れなくなる。こうした行き来が起こることがあります。
体の話だけでなく、眠れているかどうかも初回にお聞かせください。当院で扱える範囲を超える場合は、医療機関へのご相談をおすすめしています。
■ 「休んでいれば治る」とは限らないこと
背中や肩の痛みは、しばらく安静にしていれば落ち着くこともあります。
ただ、つらくなる場面が仕事や運転に結びついている場合、休んでいる間は楽でも、戻った途端にまた同じことが起こります。前述の30代の方も、パソコン作業に戻れば背中が重くなるという繰り返しでした。
だからこそ、痛みそのものを和らげることと並行して、その場面での負担をどう減らすかを一緒に考える必要があると考えています。
一方で、休んでいても痛みが変わらない、あるいは強くなっていくという場合は、話が別です。その場合は様子を見ずに医療機関にご相談ください。
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■ 当院が背中・肩の痛みに対して行っていること
当院では、まず「どの場面でつらくなるか」を確認するところから始めます。
事故の直後で炎症が強い時期は、刺激を抑えて負担を減らすことを優先します。落ち着いてきてからは、手技や電気治療、矯正を状態に合わせて組み合わせていきます。
デスクワークや運転の時間が長い方の場合は、施術だけでなく、どこで区切りを入れるかも一緒に考えていきます。
■ 自宅で気をつけたいこと
・つらくなる場面が分かっている方は、その手前で一度区切ってください
・パソコン作業は、時間を決めて立ち上がる区切りを作ってみてください
・運転は、つらくなる時間より短い間隔で休憩を入れてください
・寝るときの向きで痛みが変わる場合は、楽な向きを探してみてください
・痛む場所を強く揉むことは、時期によってはおすすめしません
■ よくある質問
Q. 一日中痛いわけではないのですが、相談してもいいですか。
A. もちろんです。むしろ「どの場面でつらいか」が分かっている方が、確認する場所を絞りやすくなります。
Q. 事故の前から肩が凝っていました。伝えたほうがいいですか。
A. お伝えください。もともとの状態と事故による変化を分けて考えるために必要な情報です。
Q. 運転が怖くなってしまいました。
A. 事故のあとに緊張が残る方は少なくありません。体の状態とあわせてお聞かせください。
Q. 眠れないのですが、関係ありますか。
A. 眠りが浅いと体を休める時間が減ります。当院で扱える範囲を超える場合は、医療機関へのご相談をおすすめしています。
Q. 病院と接骨院は、両方通ってもいいですか。
A. 併用されている方は多くいらっしゃいます。併診できる医療機関をご紹介することもあります。
Q. 交通事故の施術に費用はかかりますか。
A. 自賠責保険の対象となる場合があります。詳しくは初回にご案内します。
■ まとめ:どの場面でつらいかを持って来てください
当院で拝見してきた範囲では、事故のあとの背中や肩の痛みは、特定の場面に結びついていました。
「背中が痛い」だけでは、まだ手がかりが足りません。いつ、何をしているときにつらいのか。そこまで分かると、確認する場所も、日常で気をつけることも決まってきます。
まずは医療機関で状態を確認していただき、そのうえで気になることがあれば、当院にもお気軽にご相談ください。
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【著者情報】
田島 陽平(たじま ようへい)/治療家・株式会社キュアクオリティ代表。柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ。整形外科・接骨院勤務を経て独立し、埼玉県深谷市・熊谷市で2院を経営。カイロプラクティック歴15年以上・オステオパシーを組み合わせた独自の施術スタイルで、坐骨神経痛・腰痛・肩こりなど慢性症状でお悩みの方のサポートを行っている。現在は国際基準のフランス式オステオパシーを学んでいる。
参考文献(PubMedで実在と内容を確認しています)
・Musculoskeletal Disorders Associated with Occupational Driving: A Systematic Review Spanning 2006-2021(運転に関わる筋骨格系の不調についてのシステマティックレビュー。長時間の座位で首まわりが疲れ、頭が前に出た姿勢になることが首の痛みに関係しうるとされています)
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9180502/
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断を行うものではありません。症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関へのご相談をお勧めします。
