坐骨神経痛はレントゲンに写りますか|写りません・では何を手がかりに確かめているのか|熊谷市の接骨院が解説

2026年08月3日

坐骨神経痛がレントゲンに写らない理由と当院の確かめ方を解説する熊谷市の接骨院

「レントゲンを撮ったけれど、特に異常はないと言われました。でも痛いんです」

熊谷市の当院に、このお話をされる方はとても多いです。

先にお答えします。坐骨神経痛そのものは、レントゲンには写りません。

そして、もうひとつ正直にお伝えしなければならないことがあります。私たち柔道整復師は、そのレントゲンを見ることも、診断をすることもできません。

では、何を手がかりにしているのか。この記事では、写らないものをどうやって確かめているのかを、当院の記録を交えて具体的にお話しします。

■ 坐骨神経痛そのものは、レントゲンには写りません

まず、言葉の整理からです。

坐骨神経痛は、病名ではありません。腰からお尻、太ももの裏を通って足先まで走っている坐骨神経に沿って、痛みやしびれが出ている状態を指す言い方です。

つまり、症状の呼び名です。

呼び名である以上、その原因はさまざまです。背骨の間から神経が圧迫されている場合もあれば、お尻の筋肉のあたりで神経が刺激されている場合もあります。骨盤の関節の問題として出ていることもあります。

そして、そのどれであっても、痛みそのものがレントゲンに写ることはありません。

■ レントゲンに写るのは骨の形です。神経も筋肉も写りません

レントゲンは、骨の状態を確かめるための検査です。

骨と骨の隙間がどのくらいあるか。骨が変形していないか。すべっていないか。並びはどうか。こうした骨の形については、非常によく分かります。

一方で、神経は写りません。筋肉も写りません。椎間板というクッションも、それ自体は写りません。

ですから「レントゲンで異常なし」という結果は、正確には「骨の形に大きな問題は見当たらない」という意味です。痛みの原因がない、という意味ではありません。

ここがずれたまま帰られると、「異常がないのに痛いのはおかしい」「気のせいなのか」と悩まれることになります。実際、当院に来られる方の多くがこの状態です。

なお、神経や椎間板の状態まで確かめたい場合には、MRIという別の検査があります。どの検査が必要かの判断は医師が行います。

確かめる方法分かること分からないこと
レントゲン骨の変形・並び・すべり・隙間神経・筋肉・椎間板そのもの
MRI椎間板や神経の状態動いたときに何が起きるか
当院が確かめることどこが動いていないか・どこに症状が出ているか骨の変形やすり減りの有無

■ そして私たちは、そのレントゲンを見ることもできません

ここは隠さずにお伝えします。

柔道整復師には、レントゲンを撮る権限がありません。撮られた画像を読んで判断することもできません。そして、診断をすることもできません。

ですから当院は、「あなたの坐骨神経痛の原因はこれです」と断定することがありません。できないのです。

頼りなく聞こえるかもしれません。ですが、できないことをできると言う院より、線を引いている院のほうが、結果的にご自身の判断の役に立つはずです。

だからこそ、当院は別の手がかりを積み上げています。

■ では何を手がかりにしているのか——出ている場所と、動きです

当院が確かめているのは、大きく2つです。

ひとつ目。症状が、どこに出ているか。

これが最も大事です。神経は、どこを通ってどこへ向かうかが決まっています。ですから、しびれや痛みが出ている場所をたどると、どのあたりで問題が起きているのかの見当がつきます。

お尻から太ももの裏、ふくらはぎへと下がっていくのか。太ももの外側なのか。前面なのか。足の裏なのか。この違いには意味があります。

ふたつ目。どこが動いていないか。

体は、どこかが動かなくなると、必ず別のどこかがその分を補います。補っている側に負担が集中し、そこが症状として出ます。

ですから当院は、痛む場所そのものより先に、動いていない場所を探します。腰が痛いからといって、腰だけを見ることはしません。

当院の記録を振り返ると、しびれのご相談は、坐骨神経痛という呼び名よりずっと広い範囲に散らばっています。腰椎ヘルニアと言われている方もいれば、そう呼ばれていない方もいる。呼び名で片づけず、出ている場所で分けて見る必要があるのはこのためです。

■ 画像で異常が出なかった方の話

当院の記録からお話しします。

2人目のお子さんを出産されて2ヶ月ほどの、30代の女性です。腰に強い痛みがあり、左の太ももの裏にしびれが出ていました。

医療機関でヘルニアの検査を受けられましたが、結果は陰性でした。画像の上では、はっきりした異常が出なかったということです。

それでも症状はありました。

当院が確かめたところ、背中の丸みが強く出ていて、その分だけ腰が反り、骨盤が前に傾いていました。出産後の体には、こうした変化が起きやすいと考えられています。

そして骨盤の関節そのものにも、不安定さが見られました。ヘルニアではなく、骨盤まわりの状態から神経の症状が出ている可能性がある。当院はそう見て進めました。

通っていただく中で、症状は順番に変わっていきました。先に太もものしびれが引き、そのあとで腰の痛みが落ち着いていきました。

ここでお伝えしたいのは、画像に写らなかったからといって、確かめようがないわけではないということです。写るものと、手で確かめられるものは違います。

■ 坐骨神経痛だと思われていた方の話——出ている場所が合いませんでした

もうひとつの記録です。こちらは、場所を確かめることの意味がよく分かる例です。

精密機器の製造で検査のお仕事をされている、50代の女性です。右の太ももに、しびれと痛みが出ていました。

ご本人は坐骨神経痛だと思っておられました。以前から同じような症状が出ることがあり、そのたびに接骨院でほぐしてもらうと楽になっていた。ただ今回は、それでは引かなかったそうです。

当院が確かめて気になったのが、症状の出ている場所でした。

太ももの外側から、前面にかけて。ここは、坐骨神経が通る道筋とは合いません。坐骨神経はお尻から太ももの裏側を通ります。前側ではないのです。

つまり、坐骨神経痛という呼び名では説明がつかない出方をしていました。別の神経が関わっている可能性を考える必要があった、ということです。

体を確かめると、腰の反りが非常に強く出ていました。前かがみで手を前に出す姿勢を長時間続けるお仕事です。その姿勢を支えるために、腰の深いところにある筋肉が働き続け、引き伸ばされたまま固まっている状態だと当院は見ました。

ここでも、緩めるべき場所は太ももではありませんでした。背中と骨盤、そして足元まで含めた力の伝わり方を整えることを優先しました。

太ももに出るしびれの見分けについては、こちらでも詳しくお話ししています。
坐骨神経痛と診断された太もも内側のしびれ・膝の痛み
https://taiyo-kumagaya.com/2026/05/29/sciatica-psoas-femoral-nerve/

■ ご自宅で確かめられること

病院に行く前でも、ご自身で観察できることがあります。メモしておいていただくと、ご相談のときに役立ちます。

ひとつ目。どこに出ているか。

お尻から太ももの裏を通って下がっていくのか。外側なのか。前なのか。指でなぞれるくらいはっきりしているのか、面で広がっているのか。

ふたつ目。どの姿勢で強くなるか。

前かがみでつらいのか、反ったときなのか。座っているときか、立っているときか、歩いているときか。

みっつ目。時間帯によって違うか。

朝が強いのか、夕方にかけて出てくるのか。一日中同じなのか。

この3つが分かっているだけで、当院が確かめる場所は大きく絞れます。

歩くと出て、休むと楽になるという出方をする場合は、また別の見方が必要になります。
脊柱管狭窄症は手術しかないと言われた方へ
https://taiyo-kumagaya.com/2026/07/06/spinal-stenosis-surgery/

■ それでも画像を撮っていただいたほうがよい場合があります

当院は画像を撮れませんし、読むこともできません。だからこそ、医療機関にかかっていただいたほうがよい場合をはっきりお伝えします。

足に力が入らない、つまずくようになった。感覚が明らかに鈍い。おしっこが出にくい、または漏れる。安静にしていても強い痛みが続く。発熱を伴う。転倒や事故のあとから始まった。

こうした場合は、まず医療機関を受診してください。画像でしか分からないことがあります。

順番を間違えないことが大事です。当院が確かめられるのは、あくまで動きと出ている場所からの範囲です。

■ 異常なしと言われたあとに、やらないほうがいいこと

画像で異常が出なかった方が、そのあとにやりがちなことがあります。当院がお伝えしている範囲でお話しします。

ひとつ目。痛む場所だけを揉んで済ませないでください。

先ほどの太ももの方も、それまでは痛むところをほぐすと楽になっていました。ですが今回はそれでは引きませんでした。負担をかけている場所が別にあるとき、症状の出ている場所を緩めても戻ります。

ふたつ目。自己判断で坐骨神経痛と決めつけないでください。

太ももの前や外側に出ている場合、坐骨神経の道筋とは合いません。呼び名を先に決めてしまうと、確かめる場所を自分で狭めることになります。

みっつ目。強く伸ばす、強く押すことを続けないでください。

神経の症状が出ているときに強い刺激を加えると、かえって反応が強く出ることがあります。ご自分でやる場合は、痛みが増す方向には進めないでください。

よっつ目。異常なしと言われたことを、何もしなくていいという意味に取らないでください。

骨の形に問題が見当たらなかっただけです。姿勢や動きの側に負担が残っていれば、その負担はかかり続けます。

■ よくある質問

Q. 坐骨神経痛はレントゲンで分かりますか。
A. 坐骨神経痛そのものは写りません。レントゲンで分かるのは骨の形です。神経や筋肉は写らないため、原因の一部しか確かめられません。

Q. レントゲンで異常なしと言われました。気のせいでしょうか。
A. 違います。異常なしという結果は、骨の形に大きな問題が見当たらないという意味です。痛みの原因がないという意味ではありません。

Q. MRIを撮ったほうがいいですか。
A. どの検査が必要かは医師が判断します。足に力が入らない、感覚が鈍いといった症状がある場合は、早めに受診してください。

Q. 接骨院ではレントゲンを見てもらえますか。
A. 見ることができません。柔道整復師には画像を読む権限も診断をする権限もありません。当院は動きと症状の出ている場所から確かめています。

Q. 画像を持って行ったほうがいいですか。
A. 診断の内容を教えていただけると助かります。ただし当院が画像そのものを読むことはできませんので、医師から何と説明されたかをお聞かせください。

Q. 太ももの前が痺れるのですが、これも坐骨神経痛ですか。
A. 坐骨神経は太ももの裏側を通ります。前面や外側に出ている場合は、別の神経が関わっている可能性を考えます。出ている場所を詳しく教えてください。

Q. 病院と接骨院、どちらに先に行くべきですか。
A. 力が入らない、感覚が鈍いといった症状があるなら医療機関が先です。そうした症状がなく、動きや姿勢に関係して出ている感じであれば、当院でご相談いただけます。

■ まとめ:写らないものを、どうやって確かめるか

坐骨神経痛はレントゲンに写りません。写るのは骨の形だけで、神経も筋肉も写らないからです。そして当院は、その画像を見ることも診断することもできません。

できないことを並べましたが、これは諦めの話ではありません。写らないものを確かめる方法が別にある、という話です。

どこに出ているか。どの姿勢で強くなるか。どこが動いていないか。当院が積み上げているのはこの3つです。実際、画像で異常が出なかった方にも、確かめられることはありました。呼び名では坐骨神経痛でも、出ている場所が合わない方もいました。

異常なしと言われて行き場をなくされているなら、一度その症状がどこに出ているのかを持ってきてください。そこから始められます。

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【著者情報】
田島 陽平(たじま ようへい)/治療家・株式会社キュアクオリティ代表。柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ。整形外科・接骨院勤務を経て独立し、埼玉県深谷市・熊谷市で2院を経営。カイロプラクティック歴15年以上・オステオパシーを組み合わせた独自の施術スタイルで、坐骨神経痛・腰痛・肩こりなど慢性症状でお悩みの方のサポートを行っている。現在は国際基準のフランス式オステオパシーを学んでいる。

【参考文献】
柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/jyuudou/index.html

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断を行うものではありません。症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関へのご相談をお勧めします。

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