整形外科に通いながら接骨院にも通えますか|答えは「同じ症状では通えません」・お薬が出ている間の考え方まで|熊谷市の接骨院が解説

2026年08月3日

整形外科と接骨院の併用と投薬期間の考え方を解説する熊谷市の接骨院

「整形外科でお薬をもらっているのですが、接骨院にも通えますか」

熊谷市の当院に、よくいただくご質問です。

先にお答えします。同じ症状については、両方で健康保険を使うことはできません。そして当院にはもう一つ、独自の考え方があります。お薬が出ている期間は、整形外科に通院している期間とみなす、というものです。

この記事では、なぜそう考えるのか、その結果として何が起きるのか、そして病院と接骨院をどういう順番で考えればいいのかまでお話しします。窓口で驚かれないように、先にお伝えしておきたい内容です。

■ 同じ症状で、病院と接骨院の両方に健康保険を使うことはできません

まず制度の話です。

公的な案内には、健康保険が使えない場合として次のように書かれています。

「保険医療機関(病院、診療所など)で同じ負傷等の治療中の場合」

つまり、腰痛で整形外科にかかっている方が、同じ腰痛で接骨院に来られても、そちらでは健康保険を使えないということです。二重に給付を受けることになるため、制度上そうなっています。

ここでよくある誤解があります。「病院は病院、接骨院は接骨院で、別々に保険が使えるのでは」というものです。使えません。判断の単位は施設ではなく、同じお怪我かどうかです。

なお、まったく別の症状であれば話は変わります。腰は整形外科、足首のねんざは接骨院、という形なら成り立ちます。

■ 当院は「お薬が出ている期間は通院中」と考えています

ここからが、当院の考え方です。

「治療中」とはいつまでを指すのか。制度の文言だけでは、この線がはっきりしません。最後に病院へ行った日までなのか、それとも別の見方があるのか。

当院は、お薬が出ている期間を通院中と考えています。

具体例でお話しします。1週間前に整形外科に行かれて、お薬や湿布を1ヶ月分処方されたとします。この場合、整形外科の側では1ヶ月間治療している扱いになります。

ですから当院は、その1ヶ月の間は施術をお受けしていません。

これは当院が決めている方針です。制度の文言に「投薬期間は治療中とみなす」と書かれているわけではありません。ただ、処方されたお薬が続いている以上、その症状に対する治療は継続していると見るのが自然だと当院は考えています。

■ 「お薬をもらっただけ」でも、制度の上では治療中です

ここが、患者さんの感覚と最もずれるところです。

窓口でこの説明をすると、こうおっしゃる方が少なくありません。

「通院はしていません。お薬と湿布をもらっただけです」

お気持ちはよく分かります。診察を受けて薬をもらって帰っただけで、リハビリに通っているわけでもない。ご本人の感覚としては「通っていない」のです。

ですが、処方が出ているということは、その症状に対する治療が進んでいるということです。1ヶ月分のお薬が出ていれば、1ヶ月分の治療が計画されていることになります。

このズレを知らないまま来院されると、窓口で初めて「今は施術をお受けできません」とお伝えすることになります。それは避けたい。だからこの記事に書いています。

ご自身の状況当院の扱い
同じ症状で整形外科に通院中健康保険は使えません
同じ症状でお薬・湿布が処方されている期間中当院では施術をお受けしていません
処方された分を飲み終えて、通院も終わっているご相談いただけます
整形外科での治療が変わらず、当院へ移りたい経過を引き継ぐ形でご相談いただけます
整形外科とはまったく別の症状ご相談いただけます

■ お薬がたくさん出ていて、当院に通えない方もいらっしゃいます

正直にお伝えします。この方針のために、通っていただけないことが実際にあります。

長めに処方が出ていると、その期間が終わるまでお待ちいただくことになります。せっかく足を運んでいただいたのに、というケースも起きます。

それでもこの線を動かさないのは、健康保険の適用に関わる部分だからです。曖昧なまま施術を始めて、後から問題になるほうが、患者さんにとって不利益が大きいと考えています。

もし処方の期間中で当院に来られない場合は、お電話でその旨をお伝えします。いつ頃であればご相談いただけるかも、あわせてお話しします。

■ 整形外科と接骨院は、見ているものが違います

ここで誤解のないようにお伝えしておきたいことがあります。

当院は、整形外科より接骨院のほうが良い、という言い方をするつもりはありません。見ているものが違うだけです。

整形外科では、レントゲンやMRIといった画像を撮ることができます。骨の状態、椎間板の状態、関節の変形。構造がどうなっているかを確かめられるのは医療機関だけです。お薬で炎症や痛みを抑えることも、注射で処置することもできます。

私たち柔道整復師は、画像を撮ることも診断をすることもできません。ですから、構造そのものに問題があると断定することはありません。

その代わりに確かめているのが、体の動きです。どこが動いていないのか。動かない場所を、どこが代わりに補っているのか。姿勢が全体としてどう崩れているのか。

画像は、その瞬間の形を写します。動きは、日々の使い方の結果として現れます。どちらも必要な情報で、どちらか一方で全部が分かるものではありません。

■ 6年間、抑えながら過ごしてこられた方の話

当院の記録からお話しします。

立ち仕事をされている60代の女性です。両膝の痛みで、6年ほど整形外科に通われていました。膝に溜まった水を抜く処置を何度も受け、関節への注射と投薬で症状を抑えながら過ごしてこられました。ご本人の言葉を借りれば「ごまかしごまかし」の6年間でした。

それでも仕事に支障が出るようになり、当院に来られました。

このとき当院が確かめたのは、膝だけではありません。首から腰にかけての背骨のカーブが崩れていました。首は反りすぎ、背中は丸まりすぎ、腰はさらに反っている。股関節と膝は曲がった位置に落ち着き、足首は逆に伸びきっていました。

膝は、体の真ん中から一番遠いところにあります。上のほうでバランスが崩れていれば、その分を下が引き受けます。ですから当院は、膝そのものよりも、骨盤と背中のほうを施術の中心に置きました。

これは整形外科がやっていることを否定する話ではありません。水が溜まっていれば抜く必要がありますし、痛みが強ければ抑える必要があります。ただ、なぜ水が溜まるのかという側は、画像には写りません。

膝の水と付き合い方については、こちらでも詳しくお話ししています。
膝の水を抜いても繰り返す変形性膝関節症
https://taiyo-kumagaya.com/2026/07/23/knee-effusion-repeat/

■ 手術のあとに戻ってしまった方の話

もう一つの記録です。

40代の男性で、保険営業のお仕事をされていました。腰のヘルニアと診断され、投薬と施術を続けましたが変化がなく、手術に至りました。ところが、術後1年と経たないうちに同じ症状が戻ってしまいました。

当院に来られたのは、その後です。

確かめたところ、背骨のいくつかのつなぎ目が固まって動いていませんでした。背中と腰の境目、首と背中の境目、そして首の上のほうです。

動かない場所があると、体はどこかで帳尻を合わせます。この方の場合、その帳尻が腰に来ていました。腰を反らせることで、動かない部分の代わりをしていたのです。

手術は、その時点で問題になっている構造に対して行われます。ですが、その構造に負担をかけ続けていた体の使い方は、手術では変わりません。だから戻ることがあります。

繰り返しになりますが、これは手術が悪いという話ではありません。順番の話です。

腰のヘルニアと施術の考え方については、こちらでも触れています。
腰椎ヘルニアの原因と施術アプローチ
https://taiyo-kumagaya.com/2026/06/01/lumbar-disc-herniation/

■ では、どういう順番で考えればいいのか

整理します。

まず、強い痛みが出ている急な段階では、医療機関での確認を優先してください。骨に異常がないか、画像でしか分からないことがあります。しびれが強い、力が入らない、発熱がある、といった場合はなおさらです。

そのうえで、処方されたお薬の期間があるなら、まずはその治療を進めてください。当院はその間、施術をお受けしていません。

薬を飲み終えても変わらない、あるいは治療が一区切りついた。そこから先が、当院にご相談いただく段階です。動きや姿勢の側から、なぜその負担がかかり続けているのかを確かめていきます。

当院にも、脊柱管狭窄症や腰椎ヘルニアと言われてから来られる方が多くいらっしゃいます。その多くが、医療機関での診断や投薬を経てからのご来院です。併用の可否は珍しい問い合わせではなく、日常的に生じる論点です。

■ よくある質問

Q. 整形外科に通いながら、接骨院でも健康保険は使えますか。
A. 同じ症状については使えません。制度上、保険医療機関で同じ負傷等の治療中の場合は対象外と明記されています。

Q. お薬をもらっただけでも通えないのですか。
A. 当院ではお薬が出ている期間を通院中と考えているため、その間は施術をお受けしていません。処方の期間が終わってからご相談ください。

Q. 別の症状なら通えますか。
A. 通えます。腰は整形外科、足首のねんざは当院、という形であれば成り立ちます。どの症状で何にかかっているかを正直にお聞かせください。

Q. 整形外科をやめて接骨院に移りたいのですが。
A. 移っていただくこと自体は可能です。受傷のきっかけがはっきりしていて、投薬などで様子を見ても変わらなかったという経過であれば、引き継ぐ形でご相談いただけます。

Q. 病院と接骨院、どちらが良いのですか。
A. どちらが良いという話ではありません。画像で構造を確かめられるのは医療機関だけで、当院が見ているのは体の動きです。役割が違います。

Q. 通院中であることを言わなければ分からないのでは。
A. 正直にお聞かせください。後から重複が判明すると、患者さんご自身に不利益が生じることになります。

Q. 処方の期間が終わったら、すぐ通えますか。
A. ご相談いただけます。お電話の段階で、いつ・どのように痛めたのか、どこにかかっていたのかをお伺いしたうえでご案内します。

■ まとめ:どちらが良いかではなく、今どちらの順番かで考えてください

同じ症状で、病院と接骨院の両方に健康保険を使うことはできません。そして当院は、お薬が出ている期間を通院中と考えています。ご本人の感覚では「もらっただけ」でも、制度の上では治療が進んでいる期間です。

このために、お待ちいただくことがあります。それでもこの線を動かさないのは、曖昧にしたまま始めるほうが、後々ご負担になるからです。

画像で分かることと、動きで分かることは別のものです。どちらが優れているかではなく、今はどちらの順番かで考えていただければと思います。

いつ、どのように痛めたのか。今どこにかかっていて、お薬は出ているのか。その3つだけ持ってご連絡ください。通っていただける状態かどうかを、来ていただく前にお答えします。

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【著者情報】
田島 陽平(たじま ようへい)/治療家・株式会社キュアクオリティ代表。柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ。整形外科・接骨院勤務を経て独立し、埼玉県深谷市・熊谷市で2院を経営。カイロプラクティック歴15年以上・オステオパシーを組み合わせた独自の施術スタイルで、坐骨神経痛・腰痛・肩こりなど慢性症状でお悩みの方のサポートを行っている。現在は国際基準のフランス式オステオパシーを学んでいる。

【参考文献】
柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/jyuudou/index.html

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断を行うものではありません。症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関へのご相談をお勧めします。

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