軽い事故でも油断しないで|衝撃の大きさと症状の重さは比例しません|熊谷市の接骨院が解説
2026年07月26日
駐車場で軽くぶつかっただけ。ゆっくり走っていたときの追突。相手の車もこちらの車もほとんど傷がない。
そんな事故のあとで、「これくらいなら大丈夫だろう」と思っていませんか。
この記事では、熊谷市で交通事故のケアを行ってきた立場から、事故の大きさと症状の関係についてお伝えします。
■ 「軽い事故だから大丈夫」と思っていませんか
車の傷が小さいと、体への影響も小さいだろうと考えるのは自然なことです。
ただ、車がどれだけへこんだかと、体の中で何が起きたかは別の話です。車体が変形することで衝撃を吸収する場合もあれば、そうでない場合もあります。
そして、事故の直後は気が張っています。痛みに気づくのは、落ち着いてからということが少なくありません。
■ 衝撃の大きさと、症状の重さは比例しない
当院の交通事故の記録をあらためて見直してみました。
記録は15件。その中には、駐車場で相手の車がバックしてきて接触したという低速の事故もあれば、信号待ちで完全停止中に時速70km前後で追突されたという事故もあります。
そして経過を見ると、事故の大きさだけで期間が決まっているわけではありませんでした。低速の事故でも数ヶ月かかった方がいますし、大きな衝撃を受けた方の中には長期にわたった方もいます。
15件という数は統計と呼べる規模ではありません。ただ、少なくとも当院で拝見してきた範囲では、「軽い事故なら軽く済む」とは言い切れませんでした。
■ 駐車場での接触でも症状は出ます
駐車場での事故は、速度が出ていないぶん軽く見られがちです。
ただ、駐車場での接触には特徴があります。予測していない方向から、身構えていない状態で力を受けることです。
身構えていれば筋肉が力を入れて体を支えますが、油断しているときは体が無防備になります。速度が低くても、体にとっては急な出来事だということです。
■ 実際にあった例:駐車場での接触だった20代の方
スーパーの駐車場で、バックしてきた相手の車と衝突した20代の男性の方です。
負傷は頸部と腰部の捻挫。前屈・後屈・回旋のいずれの動きでも痛みが出る状態でした。しびれはありませんでした。
病院ではレントゲンで骨に異常なし、痛み止めの処方のみという診断です。
この方は月に1回の病院受診と並行して、当院で施術を受けていただきました。まず筋肉へのアプローチと電気治療で炎症を抑え、その後に頸部と腰部の状態に対して矯正を行っていくという流れです。
駐車場での接触という、いわゆる「軽い事故」でしたが、動かすたびに痛みが出る状態は、生活の中でかなりの負担になります。
■ 実際にあった例:強い追突で11ヶ月かかった20代の方
信号待ちで完全に停止していたところ、後方から時速70km前後で追突された20代の男性の方です。
負傷は頸部捻挫・腰部捻挫・両手首捻挫・背部挫傷。事故当初は頭痛・めまい・吐き気もありました。しびれはありませんでした。
病院ではレントゲンで骨に異常なし、痛み止めと湿布の処方でした。
そして事故から3ヶ月がたった頃、頭痛が悪化して脳外科を受診されています。検査の結果、脳に異常はなく「むち打ち」と診断されました。
当院では筋肉への施術に加え、矯正で背骨・骨盤の状態を確認しながら経過を追い、通院期間は11ヶ月に及びました。
3ヶ月後に悪化するということが、実際に起こり得ます。
■ 事故のあとに出やすい症状の一覧
| 症状 | 出方の例 | 受診の目安 |
| 首の痛み・回しづらさ | 翌日から出ることが多い | 早めに整形外科へ |
| 背中・肩の重さ | 数日たってから気づくことがある | 首とあわせて相談 |
| 腰の痛み | 座位や朝に強く出ることがある | 脚のしびれの有無を確認 |
| 頭痛・めまい・吐き気 | 事故直後から、または後日から | 強い場合は速やかに受診 |
| だるさ・眠れない | 数週間たってから目立つことがある | 体の症状とあわせて伝える |
なお、しびれ、力の入りにくさ、強い頭痛が続くといった場合は、自己判断で様子を見ずに、速やかに医療機関にご相談ください。
■ 数ヶ月たってから出てくることがある
前述の20代の方のように、事故から数ヶ月たって症状が変化することがあります。
このとき困るのが、時間がたつほど事故との関係を確認しづらくなるという点です。
だからこそ、事故のあとは「今は平気だから」と判断せず、一度は医療機関を受診しておいてください。何もなければそれが一番よいことですし、記録が残っていることが後で助けになる場合もあります。
時間差で症状が出てくる場合の考え方は、こちらでも整理しています。
事故の直後は平気だったのに、数ヶ月後から症状が出てきた方へ|熊谷市の接骨院が伝える「時間差」のむち打ちという視点
https://taiyo-kumagaya.com/2026/07/09/whiplash-delayed-symptoms/
■ 病院で「異常なし」と言われたあと
レントゲンで骨に異常がないと言われることは、事故のあとではよくあります。
画像に写るのは主に骨の状態であり、そのほかの部分にかかった負担までは映りにくいとされています。骨に異常がないことは良いことですが、それは痛みが無いという意味ではありません。
痛みが続いているのであれば、そのことを医療機関に伝え続けてください。そのうえで、当院のような接骨院での施術を併用される方が多くいらっしゃいます。
頭痛やめまいが長引く場合の考え方は、こちらでも整理しています。
追突事故後の頭痛・めまいが長引く方へ|熊谷市の接骨院が伝えたい交通事故治療との向き合い方
https://taiyo-kumagaya.com/2026/07/11/rear-end-collision-headache/
■ 相手が知り合いだった場合や、その場で示談にしたくなったとき
駐車場や住宅街での小さな事故では、「大したことないので、この場で済ませましょう」という話になることがあります。相手が知り合いだった場合は、なおさら言い出しにくいものです。
ただ、その場では痛みが無くても、翌日から症状が出ることがあります。届出をしていないと、後から症状が出たときに事故があったこと自体を示すものが残りません。
体のことだけを考えるなら、届出をして記録を残しておくほうが確実です。そのうえで、相手との関係をどうするかは別の話として考えられます。
当院にも「その場で済ませてしまったのですが」というご相談が来ることがあります。その場合でも、今できることをご案内していますので、まずはご相談ください。
■ 当院が事故後のケアで行っていること
当院では、事故の大きさで対応を決めることはしません。実際に体がどういう状態かを確認するところから始めます。
事故の直後で炎症が強い時期は、刺激を抑えて負担を減らすことを優先します。落ち着いてきてからは、手技や電気治療、矯正を状態に合わせて組み合わせていきます。
症状が長引く場合も、途中で経過が変わる場合も、その都度確認しながら進めていきます。
■ 自宅で気をつけたいこと
・「軽い事故だから」と自己判断で受診を見送らないでください
・後から出てきた症状も、必ず医療機関にお伝えください
・痛みが強い時期に、無理に動かして確かめることは避けてください
・痛む場所を強く揉むことは、時期によってはおすすめしません
・強い頭痛やしびれがある場合は、速やかに医療機関にご相談ください
■ よくある質問
Q. 車にほとんど傷がないのですが、受診したほうがいいですか。
A. 車の傷と体の状態は別に考えてください。一度は医療機関で確認しておくことをおすすめします。
Q. 駐車場での接触でも交通事故になりますか。
A. 事故として扱われる場合があります。まずは警察への届出と医療機関の受診をご検討ください。
Q. 事故から1ヶ月たちましたが、今から受診しても大丈夫ですか。
A. 時間がたつほど事故との関係が確認しづらくなることがありますので、早めにご相談ください。
Q. 病院で異常なしと言われましたが、痛みが続きます。
A. 画像に映りにくい部分の負担が関係していることがあります。医療機関に相談を続けながら、当院にもご相談ください。
Q. 症状が途中で悪くなることはありますか。
A. 当院では、事故から数ヶ月たって頭痛が悪化された方を拝見したことがあります。変化があれば早めにお伝えください。
Q. その場で示談にしてしまったのですが、今からでも相談できますか。
A. ご相談ください。今の状態を確認したうえで、できることをご案内します。まずは医療機関の受診をおすすめします。
Q. 交通事故の施術に費用はかかりますか。
A. 自賠責保険の対象となる場合があります。詳しくは初回にご案内します。
■ まとめ:軽いかどうかは、後になって分かる
事故の大きさと、体に起きたことの大きさは、必ずしも一致しません。当院で拝見してきた範囲でも、駐車場での接触で数ヶ月かかった方がいらっしゃいました。
「軽い事故だった」と言えるのは、経過を見終わった後です。事故の直後に決めつけるものではないと考えています。
まずは医療機関で状態を確認していただき、そのうえで気になることがあれば、当院にもお気軽にご相談ください。
熊谷市で交通事故後の症状にお悩みの方は、熊谷たいよう接骨院のLINEからお気軽にご相談ください。
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【著者情報】
田島 陽平(たじま ようへい)/治療家・株式会社キュアクオリティ代表。柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ。整形外科・接骨院勤務を経て独立し、埼玉県深谷市・熊谷市で2院を経営。カイロプラクティック歴15年以上・オステオパシーを組み合わせた独自の施術スタイルで、坐骨神経痛・腰痛・肩こりなど慢性症状でお悩みの方のサポートを行っている。現在は国際基準のフランス式オステオパシーを学んでいる。
参考文献(PubMedで実在と内容を確認しています)
・Human subject rear passenger symptom response to frontal car-to-car low-speed crash tests(低速の衝突実験で症状の出方を調べた研究。車体の損傷の程度と受傷のリスクの間にはっきりした関係は見られなかったと報告されています)
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3259915/
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断を行うものではありません。症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関へのご相談をお勧めします。
